「メキシコ」といえば、治安が悪いことで世界的に知られています。
自分や家族、友人がメキシコへ行くということになれば、
治安大丈夫なの?
と心配になることがほとんどではないでしょうか。
しかし実際に世界規模で見ると、どれくらいの危険度とされているのでしょうか?
様々なランキングが発表されていますが、
都市レベルのランキングでは、上位10位までをメキシコがほぼ独占。
メキシコは危険な都市ランキングの常連なんだよ。
筆者が実際に5年間メキシコに住んでいた経験をもとに、複数のランキング資料を用いて、メキシコの危険度について解説してみたいと思います。
この記事を最後まで読んで頂くことで、
・メキシコが世界的に見てどれくらい危険なのか
・メキシコにいる日本人は大丈夫なのか
・どのような対策が必要なのか
以上について理解を深められる内容となっています。
メキシコの治安ランキングは137位
2022年世界平和度指数によると、メキシコ全体の治安ランキングは163か国中137位でした。(参照Global Peace Index)
ちなみに日本は10位です。
思ったより順位が高い…?!
メキシコは広い国だから、実は治安が守られている地域もあるんだよ。国全体の平均でこれくらいなんだ。
こうしてみると、「メキシコってそんなに危なくないんじゃ?」と思われるかもしれません。
しかし、メキシコは国土が広い国。日本の5倍くらいあります。
そのため治安に関しても、地域によってかなり差があるのです。
数字に惑わされず、正しい知識を得ることが大切。
地域によってかなりの差がある
例えば、メキシコの太平洋岸にあるリゾート地、アカプルコという町があります。
夕焼がとても綺麗なビーチで、国内でも大人気のリゾート地。
アカプルコって地名聞いたことあるかも!
実はアカプルコは、メキシコ屈指の危険地域であるゲレロ州にあるよ。
実はアカプルコがあるゲレロ州の一部は、過去に何度か世界一危険な都市に選ばれているほど、治安の悪い地域。
現在、メキシコで最も犯罪率が高いことで知られています。
2023年現在、ゲレロ州チルパンシンゴ市及びその周辺地域に、日本の外務省から危険度レベル3の渡航中止勧告が出されています。
【危険度】
●ゲレロ州チルパンシンゴ市及びその周辺地域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
一方、夜道を一人で歩いても問題ないくらい、治安が守られている地域も多く存在します。
例えば、キンタナロー州のカンクン周辺。
カンクンって、ハネムーンに行く人多いよね!
そう、日本からもハネムーンなどで訪れる方が多く、大人気の観光地です。
アカプルコと同様、カンクンも海岸沿いの町ではありますが、カンクンの治安は非常に安定しています。
外国人観光客が圧倒的に多い分、犯罪が起こらないようコントロールされているのです。
似たような海辺の観光地でも、「治安」という観点で比べてみると、天国と地獄くらいの差があるよ。
都市レベルでは上位10位までをほぼ独占
次に紹介したいのが、the Citizen Council for Public Safety and Criminal JusticeというNGO団体が2020年に発表した、「世界で最も危険な都市50選」というランキング。
このランキングではトップ10のうち、なんと7つもの都市がメキシコです。
ランクインしてしまったメキシコの都市は、この通り。
特に、麻薬カルテルの活動が活発な地域が目立ちます。
1位 セラヤ(メキシコ グアナファト州)
2位 ティファナ(メキシコ バハ・カリフォルニア州)
3位 シウダー・フアレス(メキシコ チワワ州)
4位 シウダー・オブレゴン(メキシコ ソノラ州)
5位 イラプアト(メキシコ グアナファト州)
6位 エンセナーダ(メキシコ バハ・カリフォルニア州)
7位 セント・ルイス(アメリカ ミズーリ州)
8位 ウルアパン(メキシコ ミチョアカン州)
9位 フェイラ・デ・サンタナ(ブラジル バイーア州)
10位 ケープタウン(南アフリカ 西ケープ州)
※赤下線の都市がメキシコ。
ランキング上位をメキシコがほぼ独占しちゃった…
同団体によると、メキシコの都市が世界の最も危険な都市にランクインするのは4年連続だそう。
2019年には、麻薬カルテルで有名なあのティファナが第一位にランクインしたんだとか。
過去最高の殺人件数
メキシコの殺人件数は年々増え続けているのが現状で、
2019年以降は34,000件以上と、過去最高水準の殺人件数を叩き出してしまったメキシコ。
2021年の一年間の殺人件数は35,625に上り、2022年も増加し続けました。(参照データ: 国立統計地理情報院INEGIのレポート)
その原因として同団体が言及しているのが、ロペス・オブラドール大統領の犯罪抑制政策。
「この結果は偶然ではなく、大統領が過去最悪な犯罪抑制政策をやらかしてしまったからだ」と、政権を思いっきり批判しています。(参照 Mexico News Daily)
2023年にはロペス・オブラドール大統領が、ニューヨークの刑務所にいる麻薬王ホアキン・グスマンの息子を逮捕したというニュースが話題になったよね。
ニュースで見たような気がする!
メキシコの治安が悪い理由に関してはこちら。
多くの日本人が住む地域
上記でいくつかランクインしてしまっているグアナファト州というところは、メキシコ屈指の工業地帯。
日系企業を含む外資系企業が非常に多く進出している地域です。
グアナファト州だけでも日系自動車OEMが3つほど。その周辺にサプライヤーなどの中小企業があり、日本人駐在員がたくさん派遣されています。
グアナファト州には、日本語を話せるメキシコ人もたくさんいるよ!
1位のセラヤ市にホンダ、サラマンカ市にマツダ、アパセオ・エル・グランデにトヨタの新工場があります。
グアナファト州では日本人の数が増えたため、日本領事館も作られました。
そんな中、経済格差が大きく広がった影響で、グアナファト州では外国人を狙った犯罪が非常に増えてきています。
グアナファト州にいる外国人は先進国から赴任してきているいわゆる「お金持ち」であることが多く、ターゲットにされることも少なくありません。
車で移動中の日本人駐在員が強盗に遭ったりする被害が後を絶ちません。
下記は2022年に起きた、日本人が被害に遭った強盗事件の一例です。
(2)3月10日(木)午前10時頃、ケレタロ市方面に高速道路(45号線)を走行していたところ、セラヤ市を抜けて数キロ先過ぎたあたりで、道路工事の影響により渋滞となっていた。停車中に後ろから来たバイク(2組)が被害者の車両に横付けし、拳銃を突きつけて金品を要求、被害者は指示された通り、財布を渡し、犯人は被害者前方車両へも同様の手口で犯行を重ね、そのまま後方へと走り去った。被害者に怪我などはなく、犯人は紺色のキャップに防弾チョッキを着用しており、一見すると警備員風の服装であった。
在メキシコ大使館領事メール参照
メキシコで実際に起きている衝撃的な事件については、こちらの記事を読んでみてください。
メキシコの団体が発表している
世界中の危ない都市なら、同じラテンアメリカのベネズエラやブラジル、東南アジアのフィリピンなど他にも有名なところがあるんじゃないの?
実はこの治安ランキングは信憑性が低いんだ。
実はこのランキングを発表しているNGOは、メキシコの団体なのです。
どのように調査をしたのかいまいち定かではない印象を受けており、その正確さは「怪しい」というのが本音。
メキシコの治安についてはこれくらいにして、ここからはメキシコで安全に過ごすための注意点をご紹介します。
メキシコで安全に過ごすための対策
いくら世界で最も危険な都市にランクインしているとは言っても、日本人がメキシコに行けないわけではありませんし、住めないわけでもありません。
実はメキシコには1万人を超える日本人が住んでおり、むしろ慣れてしまえばとても住みやすい国と言われています。
メキシコは危険な国でありながらも、「住めば都」と言われているよ。
メキシコで気を付けるべきこと
外務省も発表している安全のための三原則は、「目立たない」、「行動を予知されない」、「用心を怠らない」。
また、下記のポイントを意識することも重要です。
メキシコで気を付けるべきこと
- 危険と言われる場所には行かない
- 夜はなるべく出歩かない
- 高価なものを身に着けない
- 事件に遭遇した場合は絶対に抵抗しない
- 安全な移動手段を心がける
- 貴重品は肌身離さず隠し持つ
事前に対策できること
海外旅行保険に加入する
海外旅行保険に加入しておくことは、万が一のケガや病気に備えるのに最適。
海外旅行保険ってすごく高いイメージ…。
海外旅行保険に高いお金をかける必要はないよ。
コストパフォーマンスで選ぶなら、クレジットカード付帯の保険が最適です。
実はメキシコに来る直前、お父さんがエポスカードを渡してくれたんだ。海外旅行保険に入っていなかったから、すごく安心したよ!
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元現地総務だからこそ知れたことだけど、海外赴任者の場合でも、メキシコの制度上、高額医療保険の加入に間に合わないことがあるよ。
万が一に備えて、クレカ帯同の保険に加入しておくのが良いと思います。
エポスカードは下記のリンクから申し込めます。
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安全なホテルを選ぶ
ホテルを選ぶ際は、必ずレビューや口コミを参考にしましょう。
安いホテルでは、盗難などの恐れがあります。
慣れていない場合、安全なエリアのホテル選びは、旅行代理店に任せるのが最も安心です。
おすすめは日本語で案内してもらえる、日系旅行代理店のHIS。メキシコ在住者もよく利用しています。
HISはメキシコ在住者もよく利用しているよ!
- 治安の悪い地域を避けて観光できる
- スペイン語が分からなくても安心
- 複数人での移動は圧倒的に安全
- 人気/穴場スポットを教えてもらえる
- 航空券の割引枠が利用できる
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海外旅行慣れしている方は、ホテルくらい自分で予約したい場合もあると思います。
旅行代理店を通さなくても、メキシコのホテルを網羅しているエクスペディアが使えます。
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たびレジに登録する
外務省の「たびレジ」に登録すると、定期的に治安状況をメールでお知らせしてくれます。
日本人が事件に巻き込まれたり、デモなどがある際には知らせてくれるのでおすすめです。
3か月未満の旅行や出張等の際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在外公館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外情報配信サービス「たびレジ」に登録してください。
(「在留届」提出・「たびレジ」登録サイト)
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
○外務省・海外へ渡航される皆様へ
用意しておくべきもの
セキュリティポーチ
携帯、財布、パスポートなどの貴重品を、カバンやポケットにそのまま入れておくことは避けましょう。
盗難やスリに遭う可能性があります。
下着の中に忍ばせるという方法もありますが、セキュリティポーチを使用するのもおすすめです。
私が持っているのはこれです。
ダミー用スマホ
強盗に遭った際に差し出すために、ダミー用スマホを用意しておくことは大切です。
過去に使っていたスマホや、格安スマホなどを持ち歩くようにするだけでOK。
古いスマホがない方は、安い端末を購入しておくともしもの時に安心。
WifiもしくはSimカード
もしもの時に備え、常にネット回線があることほど安心なことはありません。
Wifiをレンタルするなら、業界最多クラスのグローバルWifiがおすすめです。
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いざという時便利だから、私は楽天モバイルを使ってるよ。
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海外旅行慣れしている人は、現地で使えるSIMカードを用意するのもありです。
翻訳機
メキシコでは英語があまり通じません。
言葉が理解できないというだけで、犯罪に巻き込まれる可能性もあるよ。
言語面が不安な方は、オフラインで使用できる高性能な翻訳機がおすすめです。
おすすめはAI翻訳機の「ポケトーク」。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
やっぱりメキシコこわい…。
メキシコって治安は悪いけど、それ以上に魅力的なところが多い国だよ。
もしかすると、「やっぱりメキシコって怖い」と思われたかもしれません。
しかし、メキシコにはそれ以上に魅力的なところが多い国です。
・メキシコが世界的に見て、どれくらい危険とされているのか。
・日本人は大丈夫なのか。住めるのか。
・安全に過ごすにはどのような対策が必要なのか。
以上について、理解を深めていただけたなら幸いです。
このブログでは、メキシコについての情報を発信しています。
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