2010年にユネスコの世界文化遺産に登録された「メキシコ料理」。
メキシコ料理といえばタコスだよね!
そう!でも実はタコス意外にも美味しい食べ物がいっぱいあるんだ。
メキシコ料理といえば「タコス」を思い浮かべる方が多いと思いますが、
実はレパートリーが豊富かつユニークで、長ーい歴史を持つトンデモナイ料理なんです。
私はメキシコ料理が世界で一番美味しいと思っているよ。
筆者がメキシコに5年住んだ経験と、メキシコ人の夫の意見を参考にしながら、
「メキシコ料理といえば何?」という疑問に答えていきたいと思います。
メキシコ料理とは
そもそもメキシコという国は、1521年にスペインのエルナン・コルテスによって侵略を受けた国です。
スペインの侵略前は、アステカ族やマヤ族などの先住民族が、太古の昔から伝わる伝統料理を作っていました。
古代マヤ文明が有名だよね!
そこにスペインの料理が入ってきたことでメキシコの伝統料理と融合し、非常に興味深いミックスが出来上がったのです。
これを一般的に「メキシコ料理」と呼びます。
2000年以上の長ーい歴史を持つ料理で、時代に合わせて少しずつ変化していきました。
メキシコ料理の特徴
メキシコ料理の特徴としては、トウモロコシをベースに用い、唐辛子やインゲン豆、その他地域で採れる野菜や穀物をふんだんに使用して作られる、スパイシーな料理です。
侵略してきたスペイン人に振舞われた料理も激辛だったため、スペイン人はヒーヒーと涙を流しながら食べていたと言われています。
タンパク源としては、アマランサスやチアシード、フラックスシードなどの穀物や、コオロギやイモムシなどの昆虫が食べられていたことで知られています。
昆虫食って最近注目されているよね!
これらの食材は栄養価が非常に高く、現在では「スーパーフード」「宇宙食」などと言われ、世界中から注目されているのです。
※閲覧注意
アメリカのメキシコ料理
国境を跨いだお隣のアメリカ合衆国では、テキサス州の融合料理として有名な「テクス・メクス(texmex)」が人気を集めています。
テキサス州をはじめ、カリフォルニア州やシカゴなどの大都市には大規模なメキシコ人コミュニティがあり、アメリカ人の好みに合わせた「なんちゃってメキシコ料理」が食べられています。
野菜や穀物をベースとする栄養満点のメキシコ料理は、プラントベースにもアレンジしやすく、現代ではベジタリアンやヴィーガンの人たちからも絶大な支持があります。
代表的な定番メキシコ料理
それでは私が愛してやまないメキシコ料理を、どうぞご堪能ください♪
メイン料理
タコス
メキシコ料理といえば「タコス」。
しかし「タコス」と一口に言っても、調理法や中に入れる具のバリエーションが非常に豊富です。
そのため今回は、代表的なものを厳選して4つご紹介します。
パストール(Tacos al Pastor)
パストールは、数々のスパイスで赤色に味付けされた豚肉をケバブのようにグルグルと巻き付け焼いた料理。
「タコスと言ったらこれ!」と言われるほど、ド定番だよ。
パイナップルとシラントロ(パクチー)、玉ねぎのみじん切りを添えて食べます。
パイナップルを上からカットして投げ入れる技は見ものです。
カルニータス(Tacos de Carnitas)
カルニータスは、調理した豚肉を乱雑にカットした具材。
玉ねぎとシラントロ(パクチー)のみじん切りを添えて頂きます。
調理過程はこんな感じ。包丁でひたすら切り続けます。
ビステック(Tacos de Bistec)
ビステックは、牛肉を塩コショウなどのシンプルなスパイスで炒めただけのもの。
サルサの味を際立たせる、大人気のタコスです。
バルバコア(Tacos de Barbacoa)
バルバコアは、ヤギの肉をバナナの皮に包み、伝統的な「地下窯」で蒸し焼きにした田舎料理。
「地下窯」は先住民の伝統調理法で、現在でも使用され続けています。
タコスについてもっと知りたい方はこちら。
モレ(Mole)
モレ(モーレとも書かれる)は、プエブラ州の修道院で開発された伝統料理。
一言でいえば「チョコレートと唐辛子の料理」。
甘いのか辛いのか分からない、超ユニークな料理です。
地域によって甘さや辛さが異なり、使用するスパイスもバリエーション豊富です。
プエブラ州の茶色のモレが定番ですが、かぼちゃの種を使った緑のモレ(ピピアン)や、赤や黒のモレもあります。
エンチラーダス(Enchiladas)
エンチラーダスという料理は、鶏肉や豆などを入れたタコスに、極上のサルサをたっぷりとかけてヒタヒタにした料理。
赤色のサルサや緑色のサルサ、もしくはその両方をかけて食べます。
私の大好物だよ!
先程紹介した、チョコレートと唐辛子のソースである「モレ」をかけたものもあります。
トラジューダ(Tlayuda)
トラジューダはオアハカ州の伝統料理で、薄ーく伸ばした巨大なトルティーヤに、すりつぶした豆を塗り、具材をトッピングした料理。
40cm以上になることもあり、「メキシコ版ピザ」と呼ばれることもあります。
本当にピザみたいだね!
コチニータ・ピビル(Cochinita Pibil)
コチニータ・ピビルは、赤色に味付けされた豚肉の炒め物をバナナの皮で包んだ、ユカタン半島の伝統料理。
つまり、ユカタン半島で発展したマヤ文化の影響が強い料理となります。
ピンク色に色付けされた、玉ねぎとハバネロのマリネを添えて食べます。見た目もとっても可愛いです。
チレス・エン・ノガダ(Chiles en Nogada)
メキシコの独立記念日がある9月に食べられる、期間限定の料理。
大きい緑色の唐辛子(チレ・ポブラノ)の中に、ひき肉やフルーツ、ナッツなどをふんだんに入れて炒めた具材を詰め、クルミのソースをかけて食べます。
これもまた、甘いのか辛いのか分からない料理。
朝食・夜食の定番料理
チラキレス(Chilaquiles)
現地では「二日酔いの朝ごはん」と言われているよ!
二日酔いの時は脂っこいものが食べたくなるよね。
トルティーヤを三角形にカットして揚げたトルティーヤチップス(トトポ)に、極上のサルサをたっぷり絡ませた激ウマ料理です。
赤や緑、もしくはモレのサルサが使われ、玉ねぎとシラントロ(パクチー)、チーズやクリームなどをトッピングします。
タマル(Tamal)
複数形で「タマレス」とも呼ばれるこの料理は、メキシコのソウルフード。
日本食でたとえるなら「おにぎり」かな。
トウモロコシの粉を固めて、バナナやトウモロコシ自身の葉で包んだものを、蒸した料理。
持ち運びに便利で、外出先で食べる朝ごはんの定番とされています。
ケサディーヤ(Quesadilla)
ケサディーヤは朝ごはんや夜ごはんとして手軽に食べられる料理。
タコスと非常に似ているのですが、トルティーヤの形が異なります。
メキシコシティとその周辺では、「ケソ(チーズ)」なしのケサディーヤもあるよ。
エロテスまたはエスキーテス(Elotes / Esquites)
エロテスは「とうもろこし(複数形)」を意味する単語。
とうもろこしをまるごと茹でて、マヨネーズを塗りたくり、チーズと唐辛子パウダーをかけて食べます。
一方、とうもろこしの種をバラしてから茹でたものがエスキーテス。
屋台や道端で売られている料理で、夜ごはんの代わりとして人気のある激安料理です。
トラコヨ(Tlacoyo)
トラコヨは、とうもろこしの粉をひし形に固めて、中に豆のペーストなどの具を入れて焼いたもの。
毎日朝ごはんとして食べていたよ。
サルサをかけると絶品で、飽きが来ません。
モレロス州の一部地域では三角形とされており、「お弁当」として食べられています。
スープ
トルティーヤスープ(Sopa de Tortillas)
メキシコのスープと言ったらコレ。
トルティーヤスープは、焼いたトマト、玉ねぎ、唐辛子、にんにくなどの具材をミキサーにかけ、細くカットした揚げトルティーヤにかけて食べる、絶品スープです。
アボカドと、揚げた唐辛子、チチャロン(豚の皮を揚げたもの)、チーズをトッピングします。
誰もが好きになるような王道の味で、一度口にしたら虜になってしまいます。
ポソレ(Pozole)
ポソレは、茹でて細かく裂いた豚肉と、特別なとうもろこしを使って作られるスープ。
さっぱりとした味で、日本人にも人気があるよ。
アステカ帝国時代は豚肉ではなく、儀式のためにいけにえとなった「人の肉」が使われていたと言われています。
当然ですが、人肉を使って作られたスープを振舞われたスペイン人は、強い嫌悪感を抱いたそうです。(参考文献)
そりゃそうだ…!
サルサ
サルサは料理に味とアクセントを加える重要な役割を担っていますが、トルティーヤチップス(トトポ)にディップして、前菜としてもいただけます。
美味しすぎて、これだけで満腹になりがちだよ。
赤サルサ・青サルサ(Salsa Roja / Verde)
サルサは主に、焼いたトマト、唐辛子、玉ねぎ、にんにくなどを、液体状にしたもの。
かつては、石の調理器具を使って手ですりつぶしていましたが、現在ではミキサーを使います。
どんなメキシコ料理にも合う、万能調味料として知られています。
「タコスの味はサルサで決まる」と言われているほど、メキシコ料理には欠かせないものだよ。
ワカモレ(Salsa Guacamole)
ワカモレは、メキシコの伝統食材であるアボカドをすりつぶし、生の玉ねぎ、シラントロ(パクチー)、トマト、レモン汁などを加えたもの。
タコスなどにトッピングしたり、トルティーヤチップス(トトポ)にディップしたりして食べます。
衝撃的な美味しさで、一度食べたらハマること間違いなしのサルサです。
ピコ・デ・ガヨ(Pico de Gallo)
ピコ・デ・ガヨは、生のトマト、玉ねぎ、シラントロ(パクチー)、ハラペーニョなどをみじん切りにした、フレッシュなサルサ。
チーズトーストに乗せたり、タコスにトッピングしたりと、使い方は自由自在。
メキシコの定番飲み物
オルチャタ(Agua de Horchata)
オルチャタはメキシコの定番飲み物で、タコス屋には必ずと言っていいほど用意されています。
米やアーモンドをベースにした白い飲み物で、シナモンがきいていてとても美味しいです。
甘ったるいから、タコスの口直しにピッタリだよ。
辛い食べ物には甘い飲み物がいいよね!
ハイビスカスジュース(Agua de Jamaica)
ハマイカ(ハイビスカス)を茹でて、甘味を加えた飲み物。
メキシコだけでなく、他のラテンアメリカの国でも人気のある飲み物です。
酸味があるので、さっぱりした飲み物が好きな人におすすめ。
ハイビスカスにはビタミンCが豊富に含まれており、健康にも良いと言われています。
メキシコ料理を試してみよう
メキシコ料理は、日本全国のレストランで食べられます。
テクス・メクス料理は、日本全国のレストランで食べられます。
普段お使いの予約サイトで、お近くのレストランを検索してみてくださいね。
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Paypayグルメで探すまとめ
いかがでしたか?
タコス以外にもいろんな料理があることが分かったよ!
「メキシコ料理」と言っても、レパートリーが豊富でユニークな料理がたくさんあるということを、お判りいただけたと思います。
さすがユネスコ世界文化遺産!
メキシコ料理の魅力は、そのクセになる味だけではありません。
その背景にある「先住民族の文化」、そしてスペイン征服後の「文化融合の歴史」なども感じながら、楽しむことができる部分にあると思います。
今回紹介できなかった激ウマ料理もたくさんあり、また別の記事に書いていこうと思います。
世界的にも注目が集まるメキシコ料理を、是非一度試してみてくださいね!
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