中国語とスペイン語を勉強したいんだけど、どっちがいいかな?
それぞれ目的によってメリットデメリットがあるから、まずはそれを理解しよう!
中国語とスペイン語は、どちらも近年需要が高まっている言語として比較されます。
全然違う二つの言語なので、何を基準に選べばよいか分からないという人もいるのではないでしょうか。
こんな方におすすめの内容!
- 大学の第二言語で迷っている
- 英語以外を習得してスキルアップしたい
- これから需要が伸びる言語を勉強したい
これらに当てはまる方は、是非この記事を最後まで読んでみてください。
今回は外国語学部出身の筆者が、3つの観点から中国語とスペイン語のメリットとデメリットを解説していきます。
- 需要
- 習得難易度
- 将来性
それでは見ていきましょう。
中国語を勉強するメリット
中国語を勉強するメリットとデメリットを要約すると、
- 世界一の母語話者数で圧倒的需要
- 日本人に馴染み深い漢字を使用
- 動詞の活用なしで文法が簡単
- GDP世界2位の経済大国
- 日本在住外国人の3人に1人が中国人
- 日本から近く旅行しやすい
- 地域が中国に限られる
- 人口学的理由により減少傾向
- 日中関係の悪化
- 日本語が話せる中国人の増加による競合性
- 発音が難しい部類に入る
中国語の需要(約14億人)
中国語の母語話者数はもちろん、堂々の世界一位。
日本に住む外国人の3人に1人が中国人だと言われており、日本国内での需要も圧倒的です。
話者数で見ると、圧倒的に実用性のある言語だということは明らか。
数で選ぶのであれば、間違いなく中国語です。
圧倒的需要があるにもかかわらず、なぜ他の言語と迷う人が多いのでしょうか。
それには、致命的な理由があります。
- 日中関係の悪化
- 地域が中国に限られる
まず近年の日中関係の悪化により、無意識に中国語を避ける人は多いです。
また中国語が話せると、会社から中国に派遣される可能性があります。
裏を返すと、中国語を話せる人が欧米諸国へ派遣されることは少ないでしょう。
なぜなら、中国国内の方が圧倒的に需要があるからです。
海外赴任や出張は欧米に行きたいという人は、中国語を避ける傾向にあるようです。
絶対、中国行きたくない。昔これからは中国の時代とか思って少し中国語勉強したけど、絶対中国行きたくない。
— とっしー (@tosshii) June 4, 2012
中国語の習得難易度
中国語の難易度を、語彙・発音・文法の観点から3段階で評価していきます。
語彙 ★☆☆
中国語は日本人に馴染みのある漢字が使われれるため、語彙面では圧倒的に有利となります。
漢字の意味から内容を推測しやすいため、読み書きのハードルは低いと言えるでしょう。
発音 ★★★
中国語の発音は、他の言語と比べても難しい部類に入ります。
母音が36個、子音が21個と日本語にはない音が多く使われるのと、
イントネーションのつけ方によって意味が変わる単語などもあります。
そのため、発音に関しては苦戦する人が多いでしょう。
文法 ★☆☆
中国語の文法は、ヨーロッパ系の言語と比べると覚えやすいと言われています。
時制や人称によって動詞や名詞の形が変わるヨーロッパの言語とは違い、
単語自体は変化することがないため、日本人にとってはハードルが低いかもしれません。
中国語の将来性
中国はGDP世界2位の経済大国で、数年後にはアメリカを追い抜いて世界一位になる見込みです。
今後は日本から中国へ出稼ぎに行く人も増えるでしょう。
ただ、中国語の将来性に関しては下記のような懸念があります。
- 人口学的理由により減少傾向の需要
- 日本語が話せる中国人の増加による競合性
出生率の低下について。
中国国家統計局の推計によると、2021年末の出生率は7.52%で、建国以来最低となりました。
中国では少子高齢化が急速に進行しており、人口減少がいつ始まっても不思議ではないといわれています。(参考文献)
その原因として、一人っ子政策やゼロコロナ政策なども関わっています。
中国がインドに追い抜かれる日が近づいているかもしれません。
競合性の高まりについて。
需要に対して中国語が話せる日本人が少ないという話を聞いたことがある人もいるでしょう。
しかし国際社会の中で戦っていく中では、ライバルは日本人だけではありません。
近年は日本語が話せる中国人の数が急増しており、競合性は高くなってきています。
そもそも人口が多いということは、日本語と中国語のバイリンガルの割合も自然と多くなります。
たしかに、私より日本語が上手な中国人いっぱいいる…!
競合性が高いということは、求められる言語のレベルも上がります。
そのためライバルも多く、求められるレベルも高い環境の中で戦っていく必要があります。
中国語はこんな人におすすめ
- アジアの文化が好き
- アルファベットが苦手
- 実用性重視
スペイン語を勉強するメリット
- 一つ学ぶだけで21か国で通用する
- アメリカの3人に1人がスペイン語話者に
- 世界の10人に1人がスペイン語話者に
- 経済成長率が高く仕事に活かせる
- 競合が低く重宝されるスキル
- 日本語と発音が似ており易しい
- 他のラテン系言語も理解できるようになる
- 文法は動詞の活用が複雑
- 地域によって全然違う
- 日本からスペイン語圏へ気軽に旅行できない
スペイン語の需要(約5億人)
スペイン語は世界21の国と地域で話されている言語。
そのため、スペイン語という一つの言語を学ぶだけで、21の国と地域で通用します。
スペイン語話者の人口は約5億人と中国語に比べると少ないとはいえ、母語人口は英語を上回っています。
国連の公用語の一つにもなっており、スペイン語は世界的にも重要な位置を占めています。
国連では英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語の6か国語が公用語となっています。
外務省HP
下記の表を見てもらうと、
世界で二番目にスペイン語が話されている国はアメリカ合衆国だということが分かります。
そんなアメリカでは、スペイン語話者の数が爆発的に増えており、
アメリカ合衆国国勢調査局によると、2050年にはアメリカ人の3人に1人がヒスパニック系※になると言われています。
※アメリカでスペイン語を話すラテンアメリカ地域の出身者およびその子孫を「ヒスパニック(ラティーノ)」と呼びます。
現時点では5人の1人の割合ですが、不法移民も合わせるとこれよりもっと多い数になります。
そのため、スペイン語のアメリカでの需要は圧倒的。
- アメリカが好き
- 仕事でアメリカ人と関わる機会がある
- アメリカに留学/旅行予定
など、アメリカでのコミュニケーションの幅を広げたいという人には、スペイン語がおすすめ。
私の友人でも、スペイン語が話せてアメリカに駐在してる人が結構いるよ。
スペイン語の習得難易度
スペイン語の難易度を、語彙・発音・文法の観点から3段階で評価していきます。
語彙 ★☆☆
スペイン語には英語と似ている単語が多く、その割合は約20%。
英語やカタカナに馴染みのある日本人にとっては、習得しやすい言語とされています。
日常会話に必要な語彙数を比べると、スペイン語は理論上英語の3分の1の語彙でコミュニケーション可能。
つまり、英語よりも少ない単語数で意思疎通ができるということです。
発音 ★☆☆
スペイン語の発音は、中国語とは比べ物にならないくらいシンプルです。
ローマ字の発音に非常に近く、母音は日本語と同じ「あいうえお(a,e,i,o,u)」。
そのため日本人にとっては簡単に感じるでしょう。
英語とスペイン語の単語を比べてみると、どうでしょう。
英語 | スペイン語 |
---|---|
bar(バー) | bar(バル) |
culture(カルチャー) | cultura(クルトゥーラ) |
doctor(ドクター) | doctor(ドクトール) |
error(エラー) | error(エロール) |
英語よりも発音しやすい単語が多いのではないでしょうか。
発音が簡単ってすごく重要。それほど練習しなくてもすぐに話せるようになれるから。
文法 ★★★
スペイン語を含むラテン系の言語は、主語によって動詞の形が変化します。
スペイン語では一つの動詞につき、3つの法と7つの時制、それを応用した時制など、全部で16種類ほどあります。
え!そんなのムリ!
大丈夫、パターンを覚えれば良いだけだよ。
最初はこれに困惑して、スペイン語を諦める人も少なくありません。
スペイン語は高いレベルが求められない
英語を話せることが当然になってきた中、スペイン語を話せる人はまだまだ少ないです。
つまり、競合が少ないのでスペイン語を話せる人は重宝されます。
海外拠点を持つ企業にとってスペイン語が話せる人は、「喉から手が出るほど欲しい人材」であることも多いです。
競合が少ないということは、求められるレベルも低いです。
日常会話レベルでも十分な需要があるスペイン語は、「穴場」だと言えるでしょう。
中国語 | スペイン語 |
---|---|
→高いレベルが求められる | ライバルが多い→日常会話レベルでも需要がある | ライバルが少ない
王道を攻めるのではなく、「穴場」を狙って攻めていくことは、キャリアアップや実績作りへの近道になるかも。
スペイン語の将来性
セルバンテス文化センターによると、
人口学的な理由により、世界におけるスペイン語母語話者数の割合は増加傾向にあります。
その結果、2050年には世界で10人に1人がスペイン語を話すようになると言われています。
スペイン語圏(特にラテンアメリカ)は経常成長真っ只中の地域。
GDPは右肩上がりで、今後も成長が見込める地域です。
- 資源
- 低賃金労働力
- 土地(しかもアメリカと陸続き)
これら3つが揃っているラテンアメリカは、今後中国にとって代わる経済市場になるポテンシャルを秘めていると言われています。
スペイン語はこんな人におすすめ
- 欧米や中南米の異文化に惹かれる
- 英語はどちらかといえば得意
- アジアよりもアメリカでコミュニケーションの幅を広げたい人
中国語とスペイン語: Q&Aでおさらい
中国語とスペイン語: 習得までのステップ
英語・スペイン語・フランス語の3つを習得した元通訳が、
初期費用ゼロから始められる、最強の外国語習得法【裏ワザ】を伝授します。
言語は本来、耳で聴いて覚えるのが正しい方法。
そのため文法に手を出す前に、まずは耳を慣らせておくことをおすすめします。
そうすることで、複雑な文法も頭に入ってきやすくなるからです。
オーディオブックを活用するとコスパがいいです。
シャドーイングは、聞こえてくる音声を追いかけてリピートする訓練法。
音声を聴く(インプット)と声に出す(アウトプット)を同時に行うことで、
総合的な語学力が効率良く身につきます。
現在語学学習において最も効率的とされているのがこのシャドーイング。
この段階で文法を勉強し始めると効果的。
最後に一番重要なステップが、実際にネイティブと会話をすること。
会話するときは、間違えることを恐れないで。
- マッチングアプリで交流する
- オンラインレッスンを受ける
主にこれら二つの方法がありますが、オンラインレッスンの方が安全です。
初心者には、確実に実践力が身に着くベルリッツがおすすめ。
人生が変わる外国語勉強法
中国語とスペイン語: まとめ
いかがでしたでしょうか。
改めてそれぞれのメリットを比べてみましょう。
- 世界一の母語話者数で圧倒的需要
- 日本人に馴染み深い漢字を使用
- 動詞の活用なしで文法が簡単
- GDP世界2位の経済大国
- 日本在住外国人の3人に1人が中国人
- 日本から近く旅行しやすい
- 一つ学ぶだけで21か国で通用する
- アメリカの3人に1人がスペイン語話者に
- 世界の10人に1人がスペイン語話者に
- 経済成長率が高く仕事に活かせる
- 競合が低く重宝されるスキル
- 日本語と発音が似ており易しい
- 他のラテン系言語も理解できるようになる
筆者の場合、
- 将来性
- 競合性の低さ
- 他人との差別化
- 自分の興味関心
これらを考慮し、スペイン語を選びました。
そして、その選択をして心から良かったと思っています。
言語の習得で最終的に重要となるのは、「興味関心があるかどうか」です。
迷っている方は、直感的に惹かれる方を選んでみるのも良いかもしれません。
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