メキシコの家族を持つ私にとって、映画「リメンバーミー」は涙なしには見れない感動映画だよ。
リメンバーミーって、ガイコツがいっぱい出てきてちょっと怖い…。
映画「リメンバーミー」を完全に理解するには、映画の背景にあるメキシコの文化や伝統を知る必要があります。
むしろこの映画には、背景を知らなければ理解できない部分が多くあります。
こんな疑問を解決します
- 死者の日って何?
- お供えしてあるものの意味は何?
- リメンバーミーの死生観は?
この記事を最後まで読んで頂くことで、映画「リメンバーミー」を隅々まで理解できること間違いなしです!
映画「リメンバーミー」について
映画「リメンバーミー」は2017年に公開されたディズニー・ピクサーのアニメーション映画。
制作チームはメキシコに2年間住んで、文化や伝統を学んだんだよ。
だからこんなに忠実にメキシコが再現されてるんだね。
日本でもこの映画のカラフルな世界観を見て、メキシコに興味を持ったという人もいると思います。
ココおばあちゃんのモデルは実在する人物
ちなみにですが、ココおばあちゃんは実在する人物をモデルにしたと言われています。
メキシコのミチョアカン州出身の典型的なおばあちゃんで、マリア・サルー・ラミレス・カバジェロという方。
109歳まで生きて、既に亡くなってしまったよ。
そしてこの映画のテーマとなったのが、メキシコの伝統行事である「死者の日」です。
「死者の日」なしに「リメンバーミー」は語れないよ。
「死者の日」ってそもそも何?
では、「死者の日」とは一体どんなものか見ていきましょう。
メキシコ死者の日
死者の日の伝説
メキシコの死者の日は、日本の「お盆」と非常に似ています。
死者の日は、亡くなった人たちの魂がこの世に戻ってくる時期。
時期に関しても、現在はスペインのカトリックの慣習に合わせて11月としていますが、もともとは日本と同様、8月に行われていた儀式なのです。
2003年にユネスコ無形文化遺産に登録された行事だよ。
実はスペイン人がメキシコを征服するはるか昔から、アステカやマヤ族など先住民族たちの間で毎年祝われてきた「儀式」を起源としています。
死者の日が近くなると、亡くなった人たちの魂が迷わず家族のもとへ帰ってこれるよう、祭壇を飾ります。
家族の魂を誘導するためのものだったんだ!
リメンバーミーでも、生前の写真、オレンジ色の花、頭蓋骨の形をした砂糖菓子、骨の形をしたパン、生前好きだった食べ物などをお供えしているシーンがありましたよね。
死者の魂を導く大切なエレメント
オレンジの花「センパスチル」
リメンバーミーに出てくるオレンジの花「センパスチル」は、マリーゴールドのこと。
実はマリーゴールドはメキシコ原産なんだよ。
名前は聞いたことあったけど、全然知らなかった!
センパスチルには、昔から伝わる伝説があります。
永遠の愛を誓った二人の幼馴染のお話です。
戦場で最愛の人を亡くした女性「ソチトル(=花という意味)」がマリーゴールドになり、ハチドリとなった愛する人と永遠に一緒にいるという話。
マリーゴールドは、死者の日の時期になると満開になり、ハチドリたちを呼び寄せます。
そのため、マリーゴールドの花の香りが、亡くなった人たちの魂をこの世へ導くと考えられているのです。
マリーゴールドの花言葉は「悲しみ」「変わらぬ愛」だね。
ストーリーを知ると、納得!
モヒカンの犬「ショロ」
リメンバーミーでは、ミゲルの友達の犬が出てきたよね。
モヒカンで変な犬だなーと思ってたよ。
この犬、実在する犬種なんだよ。
太古の昔からメキシコの人々と一緒に暮らしてきた、ショロイッツクゥイントリ(Xoloitzcuintle)というメキシコ原産の犬種です。
一般的に「ショロイツクインツレ」や「メキシカンヘアレスドッグ」とも呼ばれ、通称は「ショロ」。
名前ながっ!
犬の神様の名前が由来なんだよ。
この「ショロ」は、死者の魂をあの世へ導く重要な存在だと信じられてきました。
具体的には三途の川を渡るのを手伝ってくれる守護霊ですが、生前に犬を大切に扱わなかった人は助けてもらえないと言われています。
犬は大切にしようね。
死者のパン
「死者のパン(Pan de Muerto)」は、一見ただの独特な形をした甘いパンです。
実はこのパン、トンデモナイ歴史があるんだよ。
かつて先住民族の中では、「生きた少女の心臓を取り出して神に捧げる」という儀式がありました。
えー?!!人間がいけにえになるの?!
また、少女の血をアマランサスと混ぜて焼いたものをパンのように焼いていたとも言われています。
しかしスペイン人がメキシコを侵略してからは、人間を使ったいけにえの儀式は禁止され、代わりに死者を模したパンを作ることにしたのです。
この時期集まるモナルカ蝶
死者の日の時期になると、メキシコには多くの「モナルカ蝶」が集まってきます。
この「モナルカ蝶」は毎年カナダからのとおーーーい道のりを、迷うことなくメキシコに来て寒さをしのぎます。
そんな姿から、このモナルカ蝶には亡くなった人たちの魂が宿ると伝えられてきました。
愛する者に会うためにこの世を訪れ、羽ばたきを通して死者の声を聞くことができるのだとか。
死者の日はいつ?
死者の日のお祝いは毎年10月27日ごろ始まり、11月1日から2日がメインのお祭りとなります。
正確には、亡くなった時期や原因によって、この世に戻れる順番が決まっていると言われています。
10月27日 | ペットの魂 |
10月28日 | 不慮の事故や突然死した人の魂 |
10月29日 | 水に溺れて亡くなった人の魂 |
10月30日 | 家族から忘れられた人の魂 |
10月31日 | 生まれる前に亡くなった子供の魂 |
11月1日 | 幼少期に亡くなった子供の魂 |
11月2日 | 亡くなった大人の魂 |
「リメンバーミー」のモデルになった場所
メキシコには、リメンバーミーの舞台となった場所がいくつかあり、実際に訪れることができます。
メキシコに来る機会があったら、是非行ってみてね!
メキシコシティ郵便局
ここはなんと、現役で使用されているメキシコ郵便局のオフィスです。
リメンバーミーでは、亡くなった人たちが電車に乗って到着する「駅」として描かれていました。
グアナファト
「世界で最もカラフルな町」「宝石箱をひっくり返したような町」とも言われ、町全体が世界遺産に登録されています。
オアハカ
オアハカは、メキシコ人の間で最も人気のある町。
人口の40%ほどは先住民族系で、最もメキシコらしい町と言われています。
リメンバーミーでは、このオアハカにあるお墓をモデルにしたんだとか。
リメンバーミーの舞台になった場所についてはこちら。
メキシコの死生観
リメンバーミーの舞台となったメキシコは、非常に独特な死生観を持っている国です。
それを理解するためには、メキシコの「先住民文化」を理解しなければなりません。
死者の日の基礎となった、メキシコ先住民の死生観についてはこちらの記事を読んでみてくださいね。
リメンバーミーの背景にあるメキシコの死生観とは?
リメンバーミーを観るには
リメンバーミーをオンライン上で観るためには、主に3つの方法があります。
一つずつ紹介していくので、最適な方法を見つけてくださいね。
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— みる Miru (@hw2001ar) March 30, 2021
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子供がいると重宝しそうだね!
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
映画「リメンバーミー」は、メッセージ性の強い映画です。
「人は亡くなったとしても、残された人々の記憶の中で生き続ける」というメッセージがグッときますよね。
メキシコではよく、「完全に忘れ去られるまで、人は死ぬことはない」と言う人がいるよ。
だから死者の日は悲しまず、楽しいお祝いの日にするんだね。
このブログでは、メキシコに関する様々な情報を発信しています。
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