ヒスパニックとかラティーノって最近よく聞くけどどういう意味?
スペイン語を話す民族や、アメリカにいるラテンアメリカ系の人たちのことを指す言葉だよ!
アメリカ合衆国で、スペイン語を公用語とするラテンアメリカ地域の出身者およびその子孫を「ヒスパニック(ラティーノ)」と呼びます。
厳密には「ヒスパニック」と「ラティーノ」にも違いがありますが、詳しくは本文で分かりやすく解説します。
実は今、アメリカ人の5人に1人はヒスパニック系です。
そのため、「ヒスパニック」や「ラティーノ」という単語をよく耳にするのも当然なのです。
こんな疑問を解決します。
- ヒスパニックって何?
- ラティーノとの違いは?
- どんな特徴があるの?
- ヒスパニック系有名人は誰?
それでは見ていきましょう。
ヒスパニック(ラティーノ)とは?
ヒスパニック(ラティーノ)とは?
アメリカ合衆国で、スペイン語を公用語とするラテンアメリカ地域の出身者およびその子孫を「ヒスパニック(ラティーノ)」と呼びます。
シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターによると、2020年アメリカのヒスパニック系人口は6,210万人。
つまりアメリカ人の5人に1人はヒスパニック系ということになります。
特に、
- カリフォルニア州
- テキサス州
- フロリダ州
これらの州ではヒスパニック系の人口が年々増加しており、
カリフォルニア州では、ヒスパニック人口が白人人口を超えてしまいました。
このように、アメリカには巨大なヒスパニック系コミュニティーがあるのです。
アメリカのスペイン語話者数は、なんと本土スペインの人口を超えています。
ヒスパニックとラティーノの違いは?
「ヒスパニック」と「ラティーノ」は厳密には違う意味を持つ単語です。
両者の違いはこんな感じ。
ヒスパニック | ラティーノ |
---|---|
スペイン語 | スペイン語/ポルトガル語/フランス語/英語 |
スペイン/ラテンアメリカ系 | ラテンアメリカ系 |
ヒスパニックとは、スペイン語を公用語とするスペインを含むラテンアメリカおよびカリブ諸国の出自者およびその子孫を指します。
例えばブラジルはポルトガル語圏であるので、これに含まないことになります。
このヒスパニックと合わせてよく用いられるのが「ラティーノ」。
ラティーノとは、アメリカに住むラテンアメリカ出身者とその子孫全般を指します。
ラテンアメリカには、植民地時代の名残でポルトガル語やフランス語、英語を話す国もあります。
そのような人達も全てひっくるめて「ラティーノ」なのです。
ラティーノの中で最も多いのが、
- メキシコ
- プエルトリコ
- エルサルバドル
- キューバ
- ドミニカ共和国
- コロンビア
※ピュー・リサーチ・センターのデータ参照
上位の国ほとんどがスペイン語を話す国であることから、
ヒスパニックとラティーノをさす対象に大きな違いはないと言えるでしょう。(参考文献)
「ラテン系」についてはこちら。
ヒスパニック(ラティーノ)の特徴は?
もちろん個人差はありますが、ヒスパニック(ラティーノ)の人たちにはある程度共通する特徴のようなものがあります。
しかも、これらの特徴を自覚していることが多いです。
- 陽気でフレンドリーな性格
- 家族を大切にする
- 感情表現が豊か
- いい意味で適当
- 音楽とダンスが好き
陽気でフレンドリーな性格は「ラテン気質」と呼ばれたりもします。
家族を大切にするのは、厳格なカトリックを信仰する文化だから。
時間にルーズだったり、細かいところは気にしない性格の人が多いです。
ヒスパニック(ラティーノ)系の有名人は誰?
女性ばっかりになってしまいましたが、ヒスパニック(ラティーノ)系の有名人は例えばこんな人たち。
- ジェニファー・ロペス
- シャキーラ
- セレーナ・ゴメス
- デミ・ロバート
- クリスティーナ・アギレラ
- ジェシカ・アルバ
- カミーラ・カベロ
- ペネロペ・クルス
セレーナ・ゴメス
ペネロペ・クルス
ヒスパニック(ラティーノ)が抱える問題
アメリカに住むヒスパニック(ラティーノ)系の人たちが抱える主な問題は、下記の通りです。
- 不法移民問題
- 人種差別問題
- 貧困問題
不法移民問題
メキシコ国境を越えてアメリカに不法入国し、身柄を拘束された人数(不法越境者数)は、21年度だけで165.9万人。
統計を開始した1960年以来で最高の数値となっています。
トランプ前大統領が、メキシコとの国境に巨大な壁を設置していたニュースを覚えている人もいるでしょう。
壁越しで顔も見れずに再会している家族を見て胸が痛くなったよ…。
バイデン大統領に代わってからは、人道的な措置が行われるようになったんだよ。
貨物車に隠れたり山を越えたりと、命がけでアメリカに逃れてくる人たちがたくさんいます。
その背景には、ラテンアメリカ地域全般の貧困や治安悪化などの問題があります。
人種差別問題
ヒスパニック(ラティーノ)系のクループはアメリカで大きな割合を占めているとはいえ、まだ白人グループと比べると「マイノリティ(少数派)」。
ヒスパニック(ラティーノ)に対してアメリカ人が抱いているネガティブなイメージとしては、
- 貧困
- 短気
- 暴力と犯罪
- 低学歴
- 時間が守れない
映画やテレビ番組などの影響で、このようなステレオタイプが定着してしまっているのです。
ヒスパニック(ラティーノ)の社会的地位は依然として低く、差別や偏見も多い。
貧困問題
ヒスパニック(ラティーノ)系の人たちは白人系アメリカ人同様、俳優、政治家、起業家、作家などの専門職に就いている人たちもいる一方、
その大半が貧困層に属していると言われています。(参考文献)
不法移民としてアメリカに逃れてきた人たちは定職に就くことが難しく、
掃除や工場での作業などの低賃金労働を強いられています。
それでも故郷に比べたらマシという人も結構いるんだ。
ヒスパニック(ラティーノ)Q&A
ヒスパニック(ラティーノ)まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヒスパニック(ラティーノ)について理解が深まったのなら幸いです。
ヒスパニック(ラティーノ)の文化に、是非一度触れてみてくださいね!
このブログでは、メキシコやスペイン語に関する様々な情報を発信しています。
興味のある方は他の記事も読んでみてね。
コメント