【フラミンゴ鳥】生態と赤ピンク色の理由!なぜ片足で立っているのか。

フラミンゴ

フラミンゴといえば、ピンクや赤色の美しい体毛と、片足立ちで有名な大型の鳥。

実はこのフラミンゴ、非常に珍しい生態を持つ特殊な鳥で、ある一定の条件が揃った場所以外には生息しないのです。

今回私はフラミンゴの群れが住む、メキシコのユカタン半島へ行ってきました。

目次

フラミンゴとは

フラミンゴは燃えるような赤色から、「火」や「炎」を意味すると言われています。

またその独特の見た目により、古くから世界中で物語や神話に取り上げられてきました。

例えば古代エジプトでは、フラミンゴは「太陽神ラー」の化身と信じられていました。

またギリシア神話では、死んでも蘇る不死鳥「フェニックス」の子孫として語り継がれています。

フラミンゴの歴史

「フラミンゴ」という名前は、スペインの伝統舞踊「フラメンコ」に由来すると言われています。

「フラメンコ」という言葉は、ラテン語の「フラマ(炎)」が語源だと言われています。

紀元前5000年前の洞窟壁画に書かれていたフラミンゴの絵が、歴史上最も古い記録となっています。

一方でローマの貴族たちは、アフリカから取り寄せたフラミンゴの「舌」を珍味として食べていたという説があります。

当時の詩人たちは、こんなにも美しい鳥の舌を食べることは恥ずべき行為だと批判していた記録が残っています。

フラミンゴの生態

アフリカや南ヨーロッパ、中南米の塩湖や干潟、アルカリ性の湖などに大きな群れを形成して生息しています。

なぜこのような特殊な条件下で生息しているのかというと、「外敵が少ないから」です。

平均的に25年ほど生きるとされていますが、海外の動物園では83年生きたフラミンゴも発見されています。

主要な「オオフラミンゴ」の体長は120~150cmにもなり、かなり大きい鳥といえます。

今回私が訪れたユカタン半島には、フラミンゴが好む条件が揃っており、冬になるとカナダなど他の地域からも、温暖な気候を求めてたくさんの群れが集まります。

フラミンゴの性格

フラミンゴは非常に社会的な動物で、何百もの大きな群れを成して生活しています。

鼻や口から独特な音を出して、家族間・親子間でコミュニケーションを取っていると言われています。

群れの仲間同士で「毛づくろい」を頻繁にしますが、これにより尾の付け根から油が分泌され、防水機能を発揮します。

一日の4分の1はこの毛づくろいに時間を費やしているため、これほど綺麗な羽を維持できるのです。

ただ、臆病な一面もあり、野生のフラミンゴを撮影をするのはかなり難しいです。

フラミンゴ

フラミンゴの不思議

なぜピンク色(赤色)なの?

フラミンゴは、生まれたときは実は、茶色がかった白のような色をしています。

では、なぜ大人のフラミンゴはピンク色なのでしょうか。

フラミンゴは、プランクトン、藻類、幼虫、昆虫、甲殻類、軟体動物、小魚などをエサとしています。

これらのエサから、「カロテノイド」という赤色の色素を取り入れているため、成長するにしたがって赤色に染まっていくのです。

ちなみに、フラミンゴの舌には、水分を多く含んだ食べ物をろ過し、必要な部分だけを体に取り入れ、余分な水分を取り除くという機能が備わっています。

動物園で飼育されているフラミンゴには、赤色の着色料が与えられています。

なぜ片足で立っているの?

フラミンゴが片足で立つ理由は様々な説が議論されています。

有名なのが、「片足ずつ足につけることで、体温が下がるのを防ぐ」といった説や、「片足ずつ休憩させている」といったもの。

フラミンゴが生息する塩湖やアルカリ性の水ならではの、「水分を奪う」という性質が関係しているという噂もあります。

トマトを塩につけると水分が抜けますよね。

しかし最近では、「筋力を使わずに片足で立つ能力を備えている」という説が有力です。

ジョージア工科大学の教授であるヤン・ホイ・チャンとエモリー大学のレナ・H・ティンは、生きたフラミンゴと死んだフラミンゴを使って実験を行ったところ、片足で立つことで筋肉の疲労を軽減していることを発見しました(参照論文

これによりフラミンゴは、効率的に体力を温存することができるのです。

立ったまま寝られる?

フラミンゴは、立ったままでも、横になった状態でも寝ることができます。

眠っている間、通常は片方の足だけに寄りかかり、もう一方の足を折りたたんでいます。寝ている間、無意識に足を切り替えています。

眠っている状態でも、脳の10%程度は起きている状態を維持しており、外的から身を守っていると言われています。

ミルクで子育てをする?

哺乳類のようですが、フラミンゴは子供にミルクを飲ませて育てることが分かっています。

ミルクは食道のあたりの「素嚢(そのう)」から分泌され、くちばしから口うつしで飲ませます。

ちなみにこの「フラミンゴミルク」と呼ばれるミルクですが、オスも出すことができるんですよ。

まとめ

フラミンゴは絶滅の危機にさらされているわけではありませんが、生息地域の環境・水質汚染により、その個体数が大幅に減少してきている動物です。

同時に、地球温暖化によりエサを確保するハードルが上がったことで、フラミンゴの繁殖力が低下してきているとも言われています。

美しいフラミンゴが、地球上から絶滅してしまわないことを願うばかりです。

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